@article{oai:fukuoka-pu.repo.nii.ac.jp:00000093, author = {岩橋, 宗哉 and IWAHASHI, Motoya}, journal = {福岡県立大学心理臨床研究}, month = {Mar}, note = {本論文では、文学、民俗学等の知見を踏まえつつ、対象関係論的精神分析の観点から、古事記中巻の神武記を検討した。  神武記は、イハレビコが天つ神と<モノ>神である国つ神との境界領域を渡る物語である。<モノ>とは「過剰さとしての他物」であり、私たちの欲動が投影同一化され融合した<なにものか>である。それに対して、コトとは、語り出された言が事として現実化する言事一致の万能的思考に支えられた言である。神武記は、コトによって<モノ>神を制御しようとする物語である。神武記では、まず、欲動が投影同一化された対象である<モノ>神に対抗して天つ神に同一化したイハレビコが直接コトを向けるという二重の同一化の構造によって万能的世界が表現される。この場合、外界の現実に接触する部分は消滅し、境界領域は成立しない。次に、<モノ>神―境界領域―イハレビコという三項構造が形成される。イハレビコは天つ神と同一化し、外界の現実と接触する境界領域にいる者にコトを向けて、意思を伝達し、そのコトが悉く事として現実化してゆく万能的世界が表現されている。}, pages = {5--16}, title = {境界領域で<私>が形成される物語としての古事記中巻(Ⅰ) -神武記:万能的思考によるコトへの信念とそれを維持するための三項構造-}, volume = {6}, year = {2014}, yomi = {イワハシ, モトヤ} }