@article{oai:fukuoka-pu.repo.nii.ac.jp:00000243, author = {藤山, 正二郎 and FUJIYAMA, Shojiro}, issue = {2}, journal = {福岡県立大学人間社会学部紀要, Journal of the Faculty of Integrated Human Studies and Social Sciences, Fukuoka Prefectural University}, month = {Jan}, note = {本論は漢方や中医学、ウイグル医学など伝統医学の思考様式を、レヴィ=ストロースの概念である「野生の思考」と結びつけ、いまだに一部では非科学的だと思われている伝統医学の知 性を描くものである。それは当然ながら、近代西欧に誕生し、世界的に普及した西洋医学の思想と対比しながら行なわれる。  『臨床医学の誕生』において、ミシェル・フーコーは病理解剖において、病気を見るまなざしが変化し、ギリシャ以来の古い医学と決別し、身体の空間に病理が見える形で存在することを認識し、それは病気の実体化に関連することになった。また、病気が人それぞれに異なることを確認し、死と結びついたかたちで個人というものが西欧に生まれた。しかし、フーコーはこの個人というものに悲観的である。かれの著作はレヴィ=ストロースほど明確ではないが、やはり構造主義的であり、主体は表れてこない。  近代西洋医学が決別した古い医学は分類医学と呼ばれ、これは伝統医学と類似性をもつ。『野生の思考』においてはトーテミズム批判から始まり、社会構造は分類範疇体系と弁証法的関係にあり、自然や宇宙とつながりを持ち、個人的アイデンティティもたかだか近代西欧が生み出した一時的な概念に過ぎないことを論じている。  伝統医学は陰陽や五行説などを見てもわかるように、分類的思考の中にあり、それは自然や宇宙とつながり、個人もそのつながりの中にある。分類範疇的体系は情報科学でいうところの二分法から始まるデジタル思考である。伝統医学は臓器についても近代解剖学とは異なる。それぞれの個別の臓器の機能ではなく、身体の中のつながりの中にある機能をとらえる。これは分析的な思考にとらわれている近代医学では理解しにくい。将来的には情報理論を取り込んだシステムバイオロジーなどの発展により伝統医学の理解がより進むように思われる。}, pages = {95--108}, title = {「野生の思考」としての伝統医学}, volume = {17}, year = {2009}, yomi = {フジヤマ, ショウジロウ} }